で、他人の目を気にしないって言うのは、スタンダードを気にしないとことでもあり、それがきっとアジアの最大の利点だと思える。スタンダードを気にしなければ、それほど準備万端でなくても、稚拙であっても、実は自分たちには向いていなくても、商売を始められます。商売を始めるだけなら、一番必要なのは適応性でも才覚でもなく、お金ですし。


そんなビロウスタンダードだとそのビジネスは成功しないでしょう?と普通なら思えるのだけれど、市場全体が、みんながそうしたレベルややり方に慣れてしまっているので、そこそこ行けたりするのです。そこそこ行けさえすれば、こちらのビジネスのほとんどは競合大手に会社も顧客も売り払ってしまいます。そんなわけで自由競争と言いながら、かなり寡占状態の業種が多いです。インターネットのサービスプロバイダーなど一時期10社以上あったのが、コンシューマー向けではいまや3社に集約されています。会員ごとたたき売られているのです。


さて、翻って日本は大変だなぁ。スタンダードは最低守らないといけないところでみんながぎりぎりのところでまじめに働いていて。それなのに格差は付くし、老後は明るくないし、エンタテイメントだけはよそに負けないくらい派手なのですけど(今のところ)。


つまりあれです。それほど(日本的な文脈で)しゃかりきにやらなくても、繁栄する社会を作れてしまっているのを見ると、いったい全体、日本の歩んできた道ってなんだったんだろうと思えてくる。それが香港かもしれません。(あるいは世界かもしれません、でいいのかも)