バレーボールマガジン5・6月合併号読了。しかし合併号なのに薄っぺらいなぁ。最大の関心は「柳本ジャパンの進化論」。監督曰く「引き受けたときは世界の三流。半年で一流のケツに来た」。チームを水槽。選手を養殖のカマスにたとえる。

海で釣り上げたカマスを水槽で飼い、えさを与えるとすばやく飛びつく。今度は水槽を<透明の仕切りで区切る。仕切りの向こうにえさを与えるとカマスは突進するが仕切りに遮られ食べられない上、仕切りにぶつかると痛い。そのうち仕切りの向こうにえさがあるのがわかっていてもカマスはえさに見向きもしなくなる

強い企業色、ゆるいVリーグ。特権的に行われている日本での国際試合。競争原理の働かない代表チーム。養殖の魚の状態になぞらえる。

問題はここからだ。今度は仕切りを外しえさを入れる。しかし本能を忘れたカマスはえさに飛びつかない。

ではどうするか。本能のまま動く新しいカマスを入れれば本能を忘れていたカマスたちも闘争心がよみがえる。これが柳本監督のしたことであったらしい。栗原や大山、狩野といった若い血を入れる。ベテランの吉原を入れる。「世界に勝ってメダルを」の合言葉がいつしか「せめてアジアの覇者に」さらには「韓国には勝ちたい」というもおになっていた。監督は言う。

そこに勝っても世界はないよ

これが躍進、ではなく、今再びスタートラインに立てた原動力だろう。