朝日の上がる頃眠る

 6,7年ほど前、僕が上海に住んでいたときかわいらしくそしてはかない飲み屋の女の子達の生活を書いた「朝日が上る頃眠る」という小説でもなくエッセイでもないようなものを今は亡き、自分のWEBサイトに書いていた。

 読んでくれるのは日本で別れてきた友人達。

 こんな風に考えてみた。

①上海って面白いな。何か書いてみたらどうだろう。幸い僕はものを書くのが嫌いじゃなかった。当時は。
②現実と作文は入れ混じっていたけれど友達に上海のことを伝えたかった。
③何よりそういった女の子のひとりとつきあっていたし彼女達の午後5時に起きて朝8時に家に帰るような生活が僕にも楽しかった。

 当時はデジタルカメラというものも出始めでありたった20万画素ぽっちのカシオを持って上海の街をあちこち撮影したものだった。楽しかった。

 97年から香港に来た。それから6年。僕は何か書きたいことがあるか?基本的に無い。香港にあるものは私小説でない限りは多くの人が知っていそうだ。何か撮影したいものがあるか。これも無い。猥雑な街並みも高層ビルも狡猾な人々もすでにどこかに発表されているように思える。

 僕が思うのは97年以前の上海よりは香港がすでに消費されつくした場所なのではないかということ。

 香港はあんなに輝いていたのに陳腐化した。少なくても僕はそう思うようになってしまった。あるいは上海は僕にとっても、そして多くの人々にとっても手垢のついていない珍しさがあったのかもしれない。

 もちろん歳を取って感受性や行動力が衰えたせいでこの街がつまらなく思えるようになったという単なるわがままなのかもしれない。

 そんなわけで香港を紹介する場所にはならないと思うけれど、突然日記を書いてみたくなりこのページを作りました。タイトルは「ばななうお(a day for bananafish)螺旋日記を書く」です。一度上げてもどんどん推敲とかしてますのでよろしくです。

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 11日のMYヒットは冷凍室で凍らせたペットボトルの水。@ピッチ。飲むに良し。膝を冷やすも良し。頭からかぶるも良し。